夏祭りのお神輿を大学生が担ぐ

法政大学「チーム出張寄席」のレポートです

 

 

7月17〜19日にかけて行われた、チーム出張寄席・東北学院大学ボランティアステーション共催企画『小渕浜神輿復活バスツアー』無事大成功致しました!!

神輿復活プロジェクトのご報告をさせて頂きます。

「お前ら、来年も神輿を担いでくれよ。そうしたら、五十鈴神社の石碑にチーム出張寄席の名前を彫ってやるから」

昨年、宮城県石巻市小渕浜の震災以降途絶えていた祭り神輿を、少ない人数ながらチーム出張寄席が復活させた時、実業団団長の後藤幸市さんがこんな言葉を私たちに掛けてくれました。

その言葉を胸にこのプロジェクトは始動。チーム出張寄席メンバーは今年2月に開催された東北学院大学ボランティアステーション主催『小渕浜スタディバスツアー』の参加が大きなヒントになりました。

「東京の学生で復興地・小渕浜の祭りを盛り上げよう!」

そんな想いの元、私たちにチーム出張寄席のスタッフは今年4月より企画実施のために小渕浜を幾度となく訪れました。しかし、学生のみで企画・運営する今回の試みは沢山の困難が待ち受けていました。

今年度の五十鈴神社祭りは大学のテスト期間の時期と重なり、学生の参加が昨年よりも厳しい状況にあるということ。学院大学のようにマイクロバスを持たない学生のみでどのようにバスを借りれるのかということ。私たちの甘い見通しに実業団の方の表情は堅く、一度は企画を白紙に戻す寸前にもなり、多くの困難が待ち受けていました。

それでも代表・大前健太の想いは固く、資金公募のためクラウドファンディングの掲載に踏み切りました。アドバイスを下さった、震災から復興地を見つめ続ける小渕浜通信事務局長の河野透様、首都大学東京の社会学博士でもあり、チーム出張寄席副代表・田辺康が所属するNPO記録映像振興会の代表を務める左古輝人先生にはこの場を借りて感謝の気持ちを伝えたいと思います。本当にありがとうございました。

クラウドファンディングでは沢山の方々から暖かいご支援を頂き、掲載最終日に無事達成を果たしました。一番の問題だったバスのレンタルも、ボランティアステーション職員其田雅美様のご厚意により、東北学院大のマイクロバスをお借りできる運びとなり、今企画が軌道に乗る大きなキッカケになりました。

そしてバスツアー当日。代表大前が指揮を取り学生参加者17人を乗せたバスが小渕浜へと向かいます。初日は石巻市日和山公園での河野さんの講演。石巻漁港の斎太郎食堂にて海産物に舌鼓を打ったあと、震災で甚大な被害を被った石巻市立大川小学校跡地での清掃ボランティアを行いました。

夕暮れ時となり、今回のツアーのメイン地である小渕浜に到着。神輿担ぎの前夜祭となる五十鈴神社特設ステージでは、東北学院大学郭教授と小渕浜区長による対談。そしてチーム出張寄席による夏祭り公演が行われ、東北で過ごす『非日常』な夏の思い出の1ページに。学生参加者と地元住民と漁師さんが一緒になってお酒を酌み交わす、最高の夜となりました。

そして翌日。今バスツアー最大の目的である、五十鈴神社神輿担ぎを迎えます。去年の約三倍の人数で担ぐ祭り神輿が、漁師さんの力強い太鼓と笛の音に合わせ、カッセカッセと威勢よく町を練り歩きます。仕事中の住民の皆様も手を止め、神輿に近づいて手を合わせます。

「今年は良いなぁ、元気が良くって」
住民の方に、笑顔で感謝の言葉を掛けて頂いた私たちは、一層声を張り上げ汗を流し、運び続けます。

私たちが小渕浜の仮設集会所にて寄席を開催する度、仮設に住む住民の皆様は沢山の笑顔を見せてくれます。しかし、仮設集会所で行われる寄席に、在宅被害者(津波で被害は受けたが家は残り、そのまま住んでいる方)の方がお越しになることはほとんどありません。在宅被害者と、家を流され仮設住宅に住む被害者。一度、在宅の方にお話を伺うと、「どこか、行きづらいんだ」と語ってくれました。
そこで私たちは、同じ被災者同士に残る「溝」を感じたのです。

小渕浜に住む方々にとって祭り神輿は共通の町のシンボルであり、「復興」のシンボルでもあります。町内中を練り歩く神輿を見ると、在宅に住む方、仮設に住む方関係なく、震災前の神輿担ぎをどこか懐かしむような、屈託のない「笑顔」が見れたのです。私たち東京の学生、そしてチーム出張寄席にできることは、「失われた想い出を取り戻す」事だったのです。

神輿担ぎを終え、祭礼も無事終了。
お世話になった民宿あたご荘に戻り、家路に就く準備をします。お風呂で汗を流したあと、自然と参加者の皆は屋外のテラス席で小渕浜の海を眺めていました。このバスツアーで初めて出会った学生も沢山います。そんな彼らが、全く見知らぬ土地の海を、同じ様にぼんやりと眺めている姿を見て、私はとても嬉しくなったことを覚えています。

帰りのバスも到着し、お世話になった小渕浜実業団の団長をはじめとする漁師さんに参加者全員でご挨拶。

「また、来年も来てください」
小渕浜の漁師さんらしく、照れ笑いを浮かべながら言葉少なに語った感謝の言葉が、チーム出張寄席にとって、少し早い夏の終わりを感じるには十分な言葉でした。

長々と書き連ねた文章もこれで最後になります。

この企画段階からお世話になった小渕浜実業団の皆様。
東北学院大学ボランティアステーションの皆様と、区長さんとの対談という急なお願いを快く受け入れてくれた郭基煥教授。
ご相談に親身に乗っていただき、ツアーにも最後までご同行頂いた河野透さん。
このプロジェクトに支援してくれたサポーターの皆様。
厳しい日程の中、参加してくれた学生のみんな。
そして、最高の笑顔を見せてくれた小渕浜に住む素敵な皆様には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

このひと夏の想い出は、みんなが作り上げてくれました。
本当に、ありがとうございました。